髪が伸びるメカニズム
髪の毛には頭皮から出ている「毛幹部」と、頭皮の下にある「毛根部」があり、この「毛根部」にある「毛母細胞」が分裂を繰り返すことで髪が伸びていきます。
そして毛根の一番下にある「毛乳頭」が血液に含まれる栄養や酸素を毛細血管から取り込み毛母細胞に送り、毛母細胞に細胞分裂を指示するシグナルを出す重要な役割を担っています。
毛乳頭から送られる栄養やシグナルを受けた毛母細胞が細胞分裂を繰り返し、増殖・角化を経て髪の毛が作り出されます。このようにして髪は1日で約0.3~0.5mmほど、ひと月に約1.2cm、1年で約15cmほど伸びると言われています。
生え変わりを繰り返すヘアサイクルとは?
髪は生え始めてからずっと伸び続けるわけではなく、一定の間伸び続けると自然に抜け落ち、抜け落ちたところからまた新しい髪が生えてきます。
この生えては抜けるを繰り返す周期を「ヘアサイクル」と言います。
この内の約9割が毛母細胞が分裂・増殖する「成長期」の髪の毛で、この期間が長く続けば髪は太く長く成長します。
「成長期」が2 ~ 6年ほど続くと分裂が弱まる「退行期」へと移り、そこから2 ~ 3週間ほどで髪の成長が完全に止まる「休止期」に入ります。
「休止期」になると毛根の位置は浅くなり、奥で成長し始めた新しい髪に押し出されるようにして自然に抜け落ちます。
このヘアサイクルは髪1本1本で異なり、期間や時期がズレるため、通常は一度にまとまって抜けることはありません。
■成長期(期間:2~6年/毛髪全体に占める割合:85~95%)
毛母細胞が分裂を繰り返し、新しい髪が盛んに作られ成長し続ける期間。
通常男性で2~5年、女性で4~6年ほど続きます。
■退行期(期間:2~3週間/毛髪全体に占める割合:1%)
毛母細胞が寿命を迎え分裂が減少し、毛球が完全に退化するまでの期間。
髪の毛が毛母細胞から離れて完全に成長をやめるまで約2~3週間かかります。
■休止期(期間:3~4ヶ月/毛髪全体に占める割合:10%)
毛母細胞での分裂が止まり、髪の毛が抜け落ちるまでの期間。
完全に髪の成長が止まり、奥では新しい髪の毛の製造準備が始まります。
ヘアサイクルの乱れと薄毛の関係性
ヘアサイクルが乱れると成長期が短縮され軟毛になったり、成長期毛の割合が減ってボリュームが減少したりと薄毛が進行します。男性の場合「ヘアサイクルの短縮」により男性型脱毛症「AGA」に、女性の場合「休止期の延長」により女性男性型脱毛症「FAGA」になると言われています。